TTADDAプロジェクトが終了しました!

昨年 12 月、官民パートナーシップ TTADDA は、4 年間のプロジェクトを成功裏に終えました。以下に、このパートナーシップを通じて得られた成果の概要を示します。
TTADDA プロジェクトは、プロジェクトリーダーである FME と駐日オランダ大使館農業参事官による積極的な推進により国際的な注目を集めており、その意味で、さらなる農業技術に関する国際協力の先例となるものです。 この官民パートナーシップではオランダと日本の双方でバレイショに関する圃場実験を実施したことが特徴的で、日本側の資金の一部は日本の農林水産省から得ています。 成果は WR と 農研機構 によって論文として発表されるとともに、Web サイト (www.ttadda.com) 上ですべてが動画とともに公開されています。
私たちが誇るいくつかの重要な成果として、例えば、OnePlanet によって開発された、電気インピーダンストモグラフィー(EIT) を利用した成長中のバレイショの土壌中の塊茎の数とその大きさの測定が挙げられます。 この技術では、バレイショが栽培されているポットに微弱電流を検知する電極センサーを取り付け、ポット内の 3D マップを作成し、塊茎を可視化します。 実用化試験が日本で火山性土壌を用いて行われ、優れた結果が得られています。次に、(株)クボタとの協力による、バレイショ撮影画像に基づく圃場内の収量の精密マッピングシステムの開発が挙げられます。このシステムは、バレイショの圃場内の収量分布を平方メートル単位で視覚化できることから、次年の栽培に向けた精密栽培の高度化に貢献します。 これまで、根菜類の収量マッピング技術は収量のみを評価しており、品質に関する値は示されていませんでした。開発中のシステムでは、個々の塊茎をすべて識別することができ、その結果、数、大きさ、重量推定が可能になります。 このシステムを使用すると、農家は、特に種バレイショの生産において重要な、栽培管理が生産物の品質に与える影響を確認できるようになります。精密農業において今後重要となる生産物に関する 正確なデータの取得と得られたデータに基づく次年の管理の改善に我々は大きな貢献をしています。
TTADDA プロジェクトで得られたさらなる成果として、バレイショの地上部の被覆率を測定するため、Solynta 開発の203系統について上空からの撮影をドローンを利用してオランダで毎週行い、手作業による従来法で得られた値と比較しました。圃場の雑草の発生に多少の問題があったものの、ドローン画像から得られた被覆率は、同時に行った従来法による値と高い相関を示しました。 この結果から、Solynta と 農研機構 は育種形質の測定におけるドローンの有用性が高いことを認めました。 さらにTTADDA は、detectron 2 に実装された DeepLab を利用した新たなソリューションを考案し、ドローンを利用した自動化システムによる数値標高モデルやオルソモザイクなどのデータ処理を可能としました。このシステムでは、Solyntaの圃場においてさまざまなジャガイモ品種の重要形質である、高さ、容積、被覆率などを効率的に評価でき、日本の農研機構における圃場試験でもその有効性が確認されています。 この研究では、さらに、表現型評価のための最適条件を明らかにするため、ドローン の飛行パラメータと高度がデータの精度に及ぼす影響も調べています。 研究の目標は、品質と収量が向上した優れたジャガイモ品種の開発への貢献です。そのため、ドローン技術と高度なデータ処理により革命的なバレイショの品種評価技術を開発し、ドローンで生成されたデータ分析を合理化して作物の主要特性を推定する精度を高めます。
この動画では、私たちの成果の概略を説明しています。
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